まずはこのソーヴィニョンブランという品種について解説します。

品種解説

フランス、ボルドー固有の品種

キリッとした酸味とグレープフルーツやライムといった新鮮な果物特有の香り

ソーヴィニョンというのはフランス語で「野生の」を意味するソヴァージュに由来するそうです。

ワインブドウ界の帝王であるカベルネ・ソーヴィニョンはこのソーヴィニョンブランとカベルネフランを交配させたものです。

この品種を秋田で栽培することについて結論から申しますと

「良いと思います」

キーワードは早摘み、病気に強いです。

うちのソーヴィニヨンブラン。他の品種に比べて小ぶりな房です。

秋田に適していると思う理由

早摘みできる

香りが特徴のこの品種です。その香りの元となる3MH前駆体と呼ばれるものがあります。この前駆体はぶどうの成熟とともに量が増えていくのですが、そのピークが糖度のピークよりも早めに来ることがわかっています。

そのために早摘みが有効な品種となります。

秋田県は雨がとても降るので病気が発生する前にブドウを収穫したいのが本音です。私は6品種栽培していますがこの品種から収穫が始まります。

病気に強い

うちの畑ではべと病、晩腐病、灰色かび病などが出やすいのですがソーヴィニヨンブランにはほとんどつきません。

同じ白品種のシャルドネと比べると防除がしやすいです。

ではデメリットも挙げてみたいと思います。

デメリット

1つ目は樹勢(枝の伸び具合)が強いことです。枝が成長しようと頑張るので誘引や摘芯の回数が多くなります。手間がかかってしまいます。

2つ目はボルドー液が使いにくいと言うことです。ソーヴィニヨンブランの特徴香は銅成分によって消されてしまうことがわかっています。

なので私は収穫の1ヵ月半前からボルドー液は散布しないようにしています。これまでに2回ワインを製造しておりますが、2020年のものは銅成分を減らすことによって確かに香りが強く感じられるようになりました。2021年はさらに2ヶ月前から散布していないのでもっと香りが出るかもしれません。楽しみにしていてください。

3つ目はフレッシュ&フルーティのスタイルにしかできないことです。シャルドネという品種はこういったフルーティなスタイルの他にも、熟成させて樽香をつけたリッチなスタイルや樽発酵、オレンジワインのようにしたりワインスタイルの幅が広いです。ですが、ソーヴィニヨンブランではあまりそういったことはしませんのでスタイルが限られてしまいます。今後の研究によっては改善できるかもしれません。

ここまでメリット、デメリットをあげましたが総じて良い品種だと思っています。将来的にも期待しています。

もし良かったらオンラインストアよりお試しください♡