サポーターの方からもっと日本ワインの裏事情みたいなものが知りたいとリクエストがありまして、私が書けそうな範囲内で日本ワインあるあるについて書こうと思います。

スーパーに並んでいるワインを見ると海外産のものが1,000円くらいでありますよね。

スーパーの利益が2割、卸会社の利益が1割、輸入費が1本あたり100円とみると、600円くらいで日本に来ると思われます。

さらに生産現地でのバイヤー等の利益を考えると生産者の売上は1本あたり300〜400円くらい。

瓶やラベルなどの原価をかんがえると、生産者の利益は100円くらいでしょうか?

これでやっていけるのが出るのが恐ろしいです(笑)

海外のワイナリー1軒あたりの生産本数はとても多いです。

ブドウ畑の面積が10ha(ヘクタール)では少ない方で100haとか普通らしいです。(ちなみに私は1ha)

チリにあるとても大きいワイナリーのブドウ畑は日本のワイン用ブドウ畑の合計より広いらしいです。

たくさん作ることができれば1本あたりのコストは下がります。

さあここからが本題なのですが、なぜ日本ワインは価格が高いのか。

私は上記の生産規模に加えて3つあると思っています。

1.資材が高い

2.日本の気象条件

3.酒税法

1.資材が高い

ここで言う資材とは次のようなものです。苗木、ブドウをはわせる垣根資材、醸造用設備。

苗木代ですが、1本あたり海外では数百円、日本だと1,000円〜1,800円(ちなみに流行りのシャインマスカットだと3,000円以上)

これを1haあたり3,000本くらい植えるので価格差は大きいです。

ワインを作るための醸造設備(酵母なども)は輸入物が大半です。海を渡る分輸送費がかかってしまいます。そろそろどこかの日本メーカーが製造してくれないものでしょうか。

2.日本の気象条件

ワインブドウは乾燥した土地を好みます。

日本は高温多湿でブドウにとって天敵であるカビが繁殖しやすい環境です。

ブドウを守るために防除をより多くしなければなりません。日本での有機栽培が海外に比べて少ないのはこういった要因もあると思います。

友達がオーストラリアのワイナリーを見学に行った際にユーカリの木を垣根資材に使っていたそうです。

日本では雨ですぐ腐ってしまうと感想を聞きました。そのため日本ではステンレス製の柱を使っている方が多いです。

木を使っている方もいますが、防腐剤を塗っているそうです。

廃材を使うのと1本2,000円近い支柱買うのだと大きく違いますね。

3.酒税法

お酒には税金がかかっています。そのため脱税されないように細かく製造の経過などを報告しなければなりません。

酒税法に定められています。ですが、この酒税法において報告義務の範囲が広く細かいため事務作業が膨大になるそうです。

そうなってくると人員を増やすしかありません。

私はまだ、製造免許をもっていないためこの事務作業は経験しておりません。

海外でやってきた日本人醸造者があまりに細かすぎて驚き、もっと簡易にするべきと訴えていたそうです。

以上の3つが日本ワインが高くなってしまう理由です。(主観)

いずれにせよ原価が高くなってしまうのですが、いつまでも改善しないわけにはいきません。

最近では大手ワイナリーさんが国産のぶどうを使いながら1,000円台のワインを販売し始めました。

反対に5,000円を超えるような日本ワインも多く出てきました。

ワイナリーの運営方針によって違うと思いますが、年々ワイナリーの数は増えており、競争が増しています。

企業努力が欠かせませんね。

私もがんばらなくては・・