秋田県でワイン用のぶどう栽培している豊島です。
実は今、ワイナリーを作るべく奮闘しております。
ですが、色々とあって頓挫しかけました。今回はその経験をお伝えしようと思います。これからワイナリーを建てようとしている人の参考になれば幸いです。
はじめに
今回お伝えしようと思うのは、「ワイナリーはどんな場所に立てるか」です。
ブドウ畑の目の前?それとも人通りの多い駅前?
立地によってそのワイナリーのコンセプトが変わってきますから最重要なポイントです。
結論から申し上げますと、
「上下水道が通っているところ」これが1番大切だと思います。特に資金力のない小規模事業者は上下水道がないと無理です。
おいおい、全然ワイナリーコンセプト以前の問題じゃねーかよって思われるかもしれません。
そうなのです。コンセプトうんぬんより直視しなければいけない現実がありました。
私は下水道が通っていないところにワイナリーを建てようと思っていました。世の中には地下水で酒を仕込む酒蔵もあれば、浄化槽という汚水を綺麗にしてくれる設備もあるから大丈夫だろうと。
保健所との対話:〜法と現実のギャップ〜
(ここから保健所と打ち合わせした話になります。保健所は都道府県によって条例の有無、基準が異なるためあくまで参考程度にしてください。)
秋田の条例で加工場の加工に伴う汚水とトイレの汚水を同じ浄化槽に流してはいけないという条例があったそうです。
今はそれがなくなり、一緒に流してもいいよ〜となりました(中にはまだダメな業種もあるそうです)
「やったー!ワイナリーが作れる!」と喜んだ私。
しかし、その浄化槽の処理能力が半端ないものを要求されました。
当初の計画では浄化槽5人槽という楽天とかでも販売している小型のものを想定していました。家族経営規模のワイナリー&お客様が来店されるようなお店ではないためこれで十分足ります。
ところが要求されたのは50人槽の浄化槽…
過大設備もいいところ。設置費用などもろもろで1,000万円。これでは、小さなワイナリーよりも浄化槽が主役になってしまいます。ワイナリーへの施設見学に来たお客様がいたら一生懸命浄化槽の良さをアピールしてそうです(笑)
ブドウ畑が見える&レストラン付きのワイナリーさんでよくこんな山奥に作ったなというワイナリーさんはおそらくこのような浄化槽を設置しているのかも…
トイレ用の浄化槽と加工場の浄化槽を2つ用意したら良いのではと妙案が浮かびました。しかし、ダメらしく、日本では1つの敷地に1つの建物しか建ててはいけません。浄化槽は1つの建物に1つが原則らしいです。
浄化槽を設置する場合は排水する水の水質検査もしなければなりません。まだワイナリーはできあがってないわけですからどこかのワイナリーに協力して頂いて、仕込みの時に発生する汚水をもらい、水質検査センターなどにお願いするわけです。
「BOD生物化学的酸素要求量」
↑これを調べるそうで、これが基準以上だと自然環境の影響があるから却下されるそうです。
浄化槽を通った先の排水先も重要です。これが田んぼに水を引くための農業用水路だと、いろいろな方の許可を受けなければなりません。
終わりに
以上の理由から下水が通っていないところで、ワイナリーをやるのは厳しいです。
このような条件でやるには恐らくですが・・
・誰もいない過疎地域・ワイナリーの近くに家がある(トイレをこちらで済ますため)
こんな感じでしょうか・・・
これからワイナリーをやりたいという方はコンセプトうんぬんの前に上下水道が通っているか確認してから始めてください!
私は諦めて別の計画をたてております。ワイナリー開業は諦めません!